焼きたてのパンの香りに誘われて、ふらっと立ち寄ってしまうパン屋さん。ここドイツでは、そんな光景が日常に溶け込んでいます。町の通りには数えきれないほどのパン屋(Bäckerei)が並び、人々は朝食や軽食、おやつにと、その日焼かれた新鮮なパンを求めて訪れます。
この記事では、ドイツならではのパンの種類や、Kuchen(菓子)との違い、そして有名なベーカリーチェーン店についてご紹介します。旅行中の朝ごはんやお土産選びの参考にしてみてくださいね。
ドイツのパンは世界一!?知られざる多様性
ドイツには3000種類以上のパンがあるとも言われるほど、そのバリエーションは実に豊か。以下に、特によく見かける定番パンをいくつかご紹介します。
ブレッツェル(Brezel)

南ドイツを代表するブレッツェル。外はカリッ、中はもっちりとした食感が特徴で、岩塩がトッピングされています。バターを挟んだ「Butterbrezel」も人気。
ブロート(Brot)

ドイツ語で「パン」を意味するこの言葉。特に、ライ麦を使った「ロッゲンブロート(Roggenbrot)」や、全粒粉の「フォルコーンブロート(Vollkornbrot)」など、酸味のあるしっかりした味わいが特徴です。チーズやハムとの相性も抜群。
ブロートヒェン(Brötchen)

小型パンの総称で、朝食やランチによく登場します。外はパリッと中はふんわり。店によって形や味が異なり、かぼちゃの種付き(Kürbiskernbrötchen)やチーズ風味(Käsebrötchen)なども。
ゾンネンブルーメンブロート(Sonnenblumenbrot)

ひまわりの種が練り込まれたライ麦パン。香ばしくて栄養価も高く、自然派の人にも人気。
メアコーンブロート(Mehrkornbrot)

複数の穀物を使ったマルチグレインパン。もちっとした食感で食べ応えがあり、ダイエット中でも罪悪感なく食べられるパンとして好まれています。
ダンプフヌーデル(Dampfnudel)

一見すると日本の蒸しパンにも似ていますが、これは甘くない中華まんのような主食系パン。南ドイツではスープや甘いソースと一緒に食べることも。
菓子パンではなくKuchen (クーヘン)です
日本では「メロンパン」や「あんパン」などの “菓子パン” 文化がありますが、ドイツにはそれに相当するものは “Kuchen”(ケーキ類)として分類されます。KuchenはBäckereiの一角でショーケースに並び、コーヒーや紅茶と一緒に楽しむことが多いです。
以下は、Bäckereiでよく見かける人気のKuchenです。
アプフェルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)

薄い生地でリンゴを巻いたオーストリア発祥のアップルパイ風デザート。シナモンとレーズンの風味が効いていて、アイスやバニラソースと一緒に提供されることも。
ベアレンクーヘン(Beerenkuchen)

ベリー類(イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなど)をふんだんに使った彩り豊かなケーキ。甘酸っぱくて爽やか。
クラプフェン(Krapfen)

見た目はドーナツに似ており、中にはジャムやカスタードクリームが詰まった揚げ菓子。カーニバルの時期には特に人気です。
有名なBäckereiチェーン店もチェック!
ドイツでは個人経営のパン屋さんも多いですが、全国展開している有名チェーン店もあります。旅行中でも見つけやすく、品質も安定しているので安心して利用できます。
▸ Bäcker Eifler(ベッカー・アイフラー)
主にフランクフルト周辺で展開している老舗チェーン。クラシックなドイツパンから甘いKuchenまで幅広く取り揃えています。カフェ併設型もあり、朝食にぴったり。
▸ Kamps(カンプス)
ドイツ全土に店舗を持つ大手チェーン。Brötchenのバリエーションが豊富で、サンドイッチなどの軽食も手に入ります。
▸ Der Beck(デア・ベック)
バイエルン地方に多く展開。伝統的なレシピにこだわったパン作りが魅力。見た目も美しく、丁寧に作られている印象があります。
▸ BackWerk(バックヴェルク)
セルフサービス式のベーカリー。自分でトレーに好きなパンを取ってレジに持っていくスタイルで、気軽に利用できます。駅構内やショッピングモールに多く見られます。
おわりに
ドイツのパン文化は、ただの「主食」ではなく、その土地の生活や歴史、健康志向までをも反映した文化そのものです。旅行で訪れる際には、ぜひ地元のパン屋に立ち寄って、その日だけの焼きたての味を楽しんでみてください。
パンひとつから、ドイツの魅力がきっと見えてきますよ!

ドイツのパンって、噛むたびに素材の風味がじんわり広がって、どこか懐かしい味がします。お気に入りのパンを見つけたら、ぜひ旅の思い出と一緒に味わってみてくださいね♪
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