ドイツといえばビール? いえいえ、実はソーセージの国でもあります。
その種類はなんと 1,500以上! 街角の屋台から高級レストランまで、地域ごとにユニークなソーセージがずらりと並んでいます。この記事では、ドイツのソーセージを大きく分けた3つの種類と、観光でもよく出会う代表的な名物をご紹介します。
ドイツにはソーセージが何種類あるの?
ドイツ全土で作られているソーセージは1,500種類以上。ただ、製法によって大きく3つに分類できます。
- Rohwurst(ローヴルスト):生のまま熟成させるタイプ。サラミやメットヴルストなど。
- Brühwurst(ブリューヴルスト):詰めた後に熱湯や蒸気で加熱するタイプ。フランクフルターやボックヴルストが代表。
- Kochwurst(コッホヴルスト):材料を一度煮てから詰めるタイプ。レバーヴルストやブラッドヴルストが有名。
日本でよく見るウインナーやサラミも、実はこの分類のどこかに入っています。
旅行で出会える代表ソーセージ
ニュルンベルガー・ロストブラートヴルスト Nürnberger Rostbratwurst

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手のひらサイズの小ぶりな焼きソーセージで、長さは7〜9cmほど。炭火で香ばしく焼き上げられ、外はパリッ、中はジューシー。ニュルンベルク旧市街の屋台やビアホールでは、丸パンに3本はさんだ「Drei im Weggla(ドライ・イム・ヴェグラ)」が定番メニューです。
旅行中にぜひ写真に撮りたくなる“名物セット”で、ビールが飲めない方でも楽しめます。
テューリンガー・ロストブラートヴルスト Thüringer Rostbratwurst

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ドイツ東部テューリンゲン州の名物で、20cmほどの細長い形。マジョラムやキャラウェイなどのハーブが練り込まれており、焼くと香りが立ち上がります。クリスマスマーケットや夏の屋台でも人気で、パンに挟んだりザワークラウトを添えたりと食べ方もさまざま。観光地での食べ歩きにぴったりです。
ヴァイスヴルスト(白ソーセージ) Weißwurst

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バイエルン州のミュンヘン発祥。仔牛肉とハーブを練り込み、見た目は白く上品。皮ごと茹でて供され、ナイフで切り目を入れて中身だけを食べます。伝統的には午前中に食べる料理で、地元では「正午の鐘が鳴る前に食べるべき」と言われるほど。甘いマスタード(Süßer Senf)とプレッツェル、白ビールと組み合わせるのが定番ですが、旅行者はノンアルコールビールでも楽しめます。
フランクフルター・ヴルストヒェン Frankfurter Würstchen

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CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10494893
細長く、表面は黄金色にパリッと仕上げられたソーセージ。日本でいう「ウインナー」のルーツとされ、パンやポテトサラダと合わせて軽食にぴったりです。地元ではマスタードを添えてシンプルに味わうことが多く、観光で立ち寄るカフェやスタンドでも手軽に出会えます。
アーレヴルスト Ahle Wurscht

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北ヘッセン地方の伝統的な生熟成ソーセージ。粗挽きの肉にスパイスを加え、長時間乾燥・熟成させて作られるため、旨味がぎゅっと凝縮しています。しっかりした赤身と独特の風味は、日本でいう干し肉やジャーキーに近い感覚。お土産として真空パックで販売されていることも多く、旅行者にとっても買いやすい一品です。
「PGI保護」ってなに?
ニュルンベルガーやテューリンガーといった名前には、実は「PGI(地理的表示保護、独語でg.g.A.)」という制度が関わっています。
これは「シャンパン」や「神戸牛」と同じで、特定の地域で伝統的に作られたものだけが、その名前を名乗れるというルールです。つまり、ニュルンベルク市で作られたソーセージだけが「ニュルンベルガー」と呼べるのです。
まとめ
ドイツのソーセージは、ただの屋台グルメではなく、1500種類を超える食文化の宝庫です。旅行中にぜひ食べ比べてみると、地域ごとの特色や歴史を味わえます。スーパーに並ぶ商品をのぞいてみるだけでも、種類の豊富さに驚くはず。

次にドイツを訪れるときは、ぜひ「ソーセージめぐり」を旅の楽しみに加えてみてくださいね
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